治らない背中のブツブツ、実はニキビじゃない?マラセチア毛包炎の見分け方

背中ニキビ向けのケアを色々試しているのに、一向に良くならない―それ、実はニキビではなく「マラセチア毛包炎」かもしれません。見た目はよく似ていますが、原因も治療法もまったく異なる皮膚トラブルです。この記事では、その違いと見分け方を紹介します。
マラセチア毛包炎とは
マラセチア毛包炎は、皮膚に常在する「マラセチア」という真菌(カビの一種)が、毛穴の中で異常に増殖することで起こる皮膚疾患です。かつては夏に多く見られることから「夏季ざ瘡(かきざそう)」とも呼ばれていました。
ここで重要なのは、一般的なニキビ(尋常性ざ瘡)の原因が「アクネ菌」という細菌であるのに対し、マラセチア毛包炎の原因は「マラセチア」という真菌だという点です。細菌と真菌は、まったく異なる生き物であるため、細菌に効く抗生物質や一般的なニキビ用の市販薬を使っても、マラセチアには効果がありません。これが、自己流のニキビケアを続けても症状が改善しない大きな理由とされています。
ニキビとの見分け方
- 原因菌が違う:ニキビはアクネ菌(細菌)、マラセチア毛包炎はマラセチア菌(真菌)
- 大きさが均一:ニキビは直径数mm~2cmとさまざまなのに対し、マラセチア毛包炎は直径2~3mm程度で、比較的均一な大きさのブツブツが多く見られます
- かゆみを伴うことが多い:マラセチア毛包炎はかゆみを伴うことが多いとされ、この点もニキビとの違いのひとつです
- できやすい部位:胸、背中、二の腕、肩、首の後ろなど、毛のある部位に広く生じる可能性があります
見た目だけでの自己判断が難しい場合は、皮膚科での検査(患部の一部を採取し、顕微鏡でマラセチア菌の有無を確認する検査)で、確実に見分けることができます。
なぜニキビ薬を続けても治らないのか
市販のニキビ薬の多くは、殺菌成分や抗炎症成分によってアクネ菌にアプローチするものです。原因菌が異なるマラセチア毛包炎には、これらの成分は効果を発揮しません。それどころか、ステロイド外用薬を長期間・広範囲に使用すると、皮膚の免疫機能が抑えられ、マラセチア菌がかえって増殖しやすい環境を作ってしまうこともあるとされています。
市販薬を選ぶなら、成分表示を確認しよう
マラセチア毛包炎に対応した市販薬を選ぶ場合は、「ミコナゾール硝酸塩」や「クロトリマゾール」といった抗真菌成分が含まれているかを確認することが大切です。これらは、水虫やカンジダ症の治療薬として販売されていることが多い成分です。ニキビ用の市販薬(殺菌・抗炎症成分のみのもの)では効果が期待できない点に注意してください。
悪化を防ぐための生活習慣
- 汗をかいたら、できるだけ早く拭き取る、またはシャワーを浴びる
- 通気性が良く、吸湿性の高い衣類を選ぶ
- 汗をかいたら、こまめに着替える
- 油分の多いボディクリームや日焼け止めの使用は控え、さっぱりしたジェルタイプやオイルフリーの製品を選ぶ
マラセチア菌は皮脂を栄養源に増殖し、高温多湿の環境を好むため、梅雨や夏場に悪化しやすいとされています。
→ 梅雨時期にニキビが悪化する理由|高温多湿対策とおすすめケア
皮膚科での治療
症状の範囲や重症度に応じて、抗真菌薬の塗り薬・飲み薬が使い分けられます。外用薬では効果が見られない場合や、広範囲・難治性の場合は、内服の抗真菌薬が検討されることもあります。内服薬は肝機能への影響や他の薬との飲み合わせに注意が必要なため、医師の管理のもとで進められます。
背中の基本的なケアについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。
→ 背中ニキビ向けボディソープ・ローションの選び方とおすすめ
よくある質問
Q. マラセチア毛包炎は人にうつりますか?
A. マラセチア菌は誰の皮膚にも存在する常在菌のため、人から人への感染が問題になることは基本的にないとされています。
Q. どのくらいニキビケアを続けたら、マラセチア毛包炎を疑ったほうがいいですか?
A. 明確な期間の目安はありませんが、一般的なニキビケアを2週間以上続けても改善が見られず、かゆみを伴う均一な大きさのブツブツが多発している場合は、一度皮膚科で相談してみることをおすすめします。
まとめ|「治らないニキビ」は、別の原因を疑ってみよう
背中や胸のブツブツがなかなか治らない場合、それは一般的なニキビではなく、マラセチア毛包炎という別の皮膚トラブルである可能性があります。原因菌が異なれば、当然ケアの方法も変わってきます。自己流のケアを続けても改善しない場合は、早めに皮膚科で正確な診断を受けることをおすすめします。